· 

第164回 学校に行けない日々

第164回 学校に行けない日々



Hello! Granny Hirokoです。

 

8月ももうあとわずか。太平洋上には次々と温帯低気圧が発生し、

 

台風になるチャンスをうかがっているようで、夏は10月までだとか

 

うんざりするような話ばかりですが、皆様夏バテしておられませんか?

 

9月の声が聞こえ、二学期が始まる頃に、ちょいちょい耳にするのが

 

「子供が学校に行きたくないと言っている」というお話。

 

奇しくも、今朝、NHKの「あさイチ」でも取りあげられていました。

 

不登校児、かつて我が家にもおりました。

 

せっかく中学受験して、志望校合格したのに、そこで壮絶ないじめに遭って

 

二学期から不登校になった娘。

 

「●●ちゃん、お元気ですか?早く元気になってね、とお伝えくださいね。」と

 

電話してきてくれた子が、なんと虐めグループのリーダーでした。

 

女子中学生あるある、やねえ。

 

親子カウンセリングにも通いました。曼荼羅がかかってお香が焚かれている怪しい心理カウンセラーの所にも行ったっけ。

 

当時はオンラインレッスンなんかなかったから、学校の遅れをなんとか補充しようと衛星授業に申し込み、CSアンテナつけました。

 

もちろん、やる気なんかゼーローの娘はテキストも開いてませんでしたが。

 

そのうち、学校でいじめ問題を話し合う機会をクラス担任から与えていただいて主人が出席してくれました。

 

母親の私はきっと感情的になって話すから、自分が冷静に話をしてくると。

 

「いじめられる側にも問題はあるかもしれない。でも、いじめられて

 

学校にいけないという子が一人いるのだという事実をわかってほしい。

 

こちらは犯人捜しもしない。お願いしたいことは、もし、うちの娘が登校したら

 

親切にしてくれなくていい、普通にしてほしいとあなた方のお嬢さんたちに

 

伝えていただきたいのです。私立受験の塾に通い、ようやく志望校に入学

 

したのに、そこへ行けないという状況がどんなにつらいかは、同じように

 

受験を親子で潜り抜けて来られた皆様にならわかっていただけるはずです。」

 

と、主人以外全員母親の保護者の前で訴えてくれました。

 

共感してくださったのか、目頭を押さえる母親がたくさんいた中、

 

『うちの子は違いますから』と立ち上がって反論した母親がひとり。

 

首謀者の母親だったそうです。

 

幸いその後、すばらしいカウンセラーさんに出会い、そしてやがてはその方の死にも立ち会い、

 

娘は立ち直っていきました。クリスマスが過ぎたころ、自分から「学校行ってみよかな」と。

 

毎日無駄になってもいいから、いつでも持ってでかけられるようにと

 

その日もテーブルに用意していたお弁当の包を持って。

 

最初は保健室登校に始まり、お弁当食べて午後からは早退、と少しずつ学校にいる時間は伸びて行きました。

 

虐めグループは、母親たちからのお説教が効いたのか、娘への攻撃をやめターゲットを変えました。

 

その新しいターゲットと仲良くしたのが他ならぬ娘でした。やがて、虐めグループは崩壊。

 

三学期は、一日も休まず通い、やがて二年生に。そのクラスで今でもおつきあい

 

している数人の仲良しさんができました。そのお嬢さん達は娘の結婚式にも来てくれて、

 

それぞれに社会人として幸せに活躍されています。

 

死にたい、と暴れた日もありました。カウンセリング帰りの冬のバス停で、二人で泣いた日もありました。

 

もう中学生の大きな娘を抱きしめて毎晩一緒に寝ていました。

 

私は仕事も整理して、在宅時間を増やしました。ほんま、しんどかったです。

 

こうして書いていても昨日のことのようです。喉元過ぎれば、で、もう熱くはありませんが。

 

今でも、胸がちくっとする切ない思い出です。

 

そんな彼女が、今では、不登校児童を持つお母さん達へ、「元不登校児」としてのアドバイスをする教師になっています。

 

「学校へ行け、とは無理強いしないでください。でも、行く日が来ることを

 

お母さんはあきらめないでください。毎日毎日行かないのにお弁当を作る母は正直

 

うざかったけれど、お母さん私に学校に行ってほしいんやろな、大好きなお母さん

 

を喜ばすために、ちょっとだけがんばって行ってみよかな?って私の背中を押した

 

のは、母への感謝の気持ちでした。そして会社を休んで全力で私を守ろうと

 

保護者会で熱弁をふるってくれた父の強さでした。」と話していると。

 

今日のあさイチも、全国沢山の不登校児を持つ親御さんからのご意見が、体験談が寄せられていました。

 

不登校はその理由も動機も千差万別で、そこからの立ち直り方も、これが正解といったマニュアルがあるわけではない。

 

私たちが娘のためにとしたことが、正解だったのかどうかもわからない。

 

ただ、全力で娘を守りたいとがんばった若い日の私たち夫婦に噓はなかった。

 

それだけ。不登校をしようが毎日学校に行こうが娘は娘。愛しいことに変わりはなかったということ。

 

学校に行けなかった日々には、ゴスペルレッスン、トールペイント、フリーマーケット出店など、

 

娘を色んなところに連れだして、色んな体験をさせました。何か彼女の歩みを進めるきっかけにならないかと。

 

娘はいやいや付いて来てたんだろうけれど。

 

子供がうろうろしていない時間帯に子どもを連れて出かけていく母親の勇気。

 

そして、ついていく子供もまた勇敢だったなあと。昔の私と娘を抱きしめてあげたい気持ちになります。

 

不登校児を抱えているうしろめたさ、恥ずかしさ、みたいなものを私が捨てた日から、

 

私も娘も少し楽になった気がすることだけは確かです。

 

こんな話でも、どなたかのお役に、何かのヒントになれば幸いです。

 

大人だって会社ずる休みしたい日もあるもんね。

 

生活かかってるから、仕方なく、いやいや行くけどね。

 

二学期、みんなが楽しく学校に行けますように。

 

英語も大事だよ、でも、「楽しく毎日学校に行く」ただそれだけのこともまた大事。

 

でも、学校だけが人生の全てではないし。

 

人生にはいっぱい周り道もあるし。

 

何度もこのブログにも書きましたが、「人生に無駄なことなんてひとつもない」と。

 

辛く重い経験も、力になり、いつかは人の役に立つ日もあるのだから。

 

体育祭、文化祭、秋の遠足。二学期はイベント尽くし。

 

身体に気を付けて、二学期を楽しんでください。