巨人のベンチ?(中学英語でよくやる間違い)
こんにちは!Granny’s オンライン英語教室のGranny Hirokoです。
台風一過のスッキリとした青空、とまではいかないけど、
一気に秋の空気が入ってきて、今日は一日、エアコン無しで過ごせましたよ。
さて、今日は、私のオンライン英語教室の可愛い生徒、
中学一年生のA君を指導していて気付いた、
『中学一年生が間違い易い英文の語順』についてお話しましょう。
まず、彼の学校が採用している文科省検定教科書は、New Horizon
なかなかに中身の濃い、レベルの高い教科書なんです。
お母さん達は、ご自分の中学時代を振り返って、
「え?中学一年生の英語なんて、This is ~とかI am とかでしょ?」
「そんなに躓くことある?」
と、おっしゃるかも知れませんね。
ところが、ところが。
改訂になった新しい検定教科書、私はHorizon とCrown の中身を見ていますが、
どちらも、ものすごくNatural な場面設定の中で、
中学生を主人公とした物語が展開しながら、
そのUnit(Lesson)の中で、Key Sentenceや重要単語、
熟語などを学びながら、文法を教える、という感じかな?
会話表現が多く、This is ~は、まず他人を紹介するシーンで使われているし、
Granny がその昔女子学生だった頃の、
This is a pen. なんてどこを探しても出てきませんから(笑)
それどころか、すぐに過去形は出てくるわ、助動詞は出てくるわ、不定詞は出てくるわ。
一年時には、さらっと流すだけで、詳しい文法的解説はしないようですが。
ひと昔前までは、Canは二学期の終わり、不定詞は二年生、
Be動詞の過去形と一般動詞の規則変化をする過去形動詞が数個、
それも一年生の最後にちらっと登場でした。
たとえば、want to V(動詞)~とかが出てくるんですが、
一年生ではさらっと「~V(動詞)したい」とだけ教えるみたいです。
不定詞の名詞的用法、とかの文法解説はしない、ということ。
今まで沢山の生徒を教えてきて、特に男の子に多いんですが。
どちらかというと理系で、理屈がわからないと、
暗記だけで学習を進めたくないタイプの子、歴史の年号暗記とかは嫌いなタイプ、
にはこのスタイルの暗記学習はきつい、です。
一年生一学期の英語のテストの平均点が60点台前半だったと、
Y君のお母さんからうかがって、そりゃそうだな、と。
ひと昔前なら、アルファベットがかけて、挨拶の文がわかって
This is ~ I am ~ 人称代名詞変化表がわかって(I―my-meのあの懐かしい表です)、
What ~、Who~ぐらいで一学期終わりでしたから。
まず、中間テストの平均は80台、期末でも70台が相場でした。
1つのUnitの中で出てくるKey Sentence の多いこと多いこと。
これじゃあ、60点台は仕方ないだろうな。
教えておられる先生方もご苦労されていると推察いたします。
ま、文句言うたところで、仕方ないんやけどね。
使える英語、コミュニケーション英語を目指して、
「現場」をわかってない人達が集まって作った教科書やなあ、と思ってしまったGrannyです。
さて、話を元に戻そう!(ぺこぱ風)
Y君の躓いたのは
位置関係を表す前置詞を使って作文をする、という問題。
あの木の下にあるベンチを見なさい。
という問題。
この単元では、「命令文」と
「on/ in/ under/ by」という4つの位置関係を表す前置詞が出てきます。
正解は
Look at the bench under that tree.(the tree)
なんですが、「あの木の下にあるベンチ」この日本語の語順が
中学一年生には、「曲者」やねんなあ。
英語では the bench に、後置修飾でunder that tree が付くんだけれど。
日本語の語順をそのまま英語に置換してしまうと
「あの木の下に」というフレーズが、
「ベンチ」の前に来ている語順から、
Look at the tree under that bench.
なーんて、へんてこりんな文を作ってしまう子達が、実に多いのです。
ん?ジャックと豆の木の、巨人のベンチ?
ピクサーのアニメの世界なん?
って言うとぽかーん。
うん、初めて英作するんだもん、全然悪くないだろう!知らないんだから!
で、訳をさせてみると大笑い。
『あのベンチの下にある木を見なさい。』
どんだけでかいベンチ~!って話になりますからね。
『後置修飾』のない日本語しか生まれてから今まで使ったことないんやからね。
この辺りは、さんざん類題をやらせてわからせるしかないですね。
同じように、現在分詞の形容詞的用法を教える箇所でも、みんな躓きます。
赤ちゃん a baby
泣いている赤ちゃん a crying baby(これは前置修飾で〇)
ベッドで泣いている赤ちゃん a baby crying on the bed (後置修飾)
前置修飾だと、a crying on the bed baby これは言いにくいよね、おかしいよね。
on the bed って「おかず」がついてきたら、重たいから後ろからねという風に私は教えています。
現在分詞だけなら前から、on the bed とか in the cradle とか、何か「おかず」がついたら後ろから。
これも、沢山類題をやらせてあげるしかないかな。
多分、1つのユニットに沢山の教えなくてはならない事が詰め込まれているテキストだから、
学校の先生達には、そんなにじっくり時間をかけて前置詞を教えられないはず。
「前置詞なんて、一番難しいよ。」これは仲良しのネイティブの言葉です。
以前英語を母国語とする国籍の違う数人のネイティブに前置詞の問題を尋ねたら、答えが分かれた、という体験をしたことがあります。
「そこはof やろ?」「in もいけるやろ?」みたいな?
(あ、大阪弁でなくて英語で交わされた議論でしたが (笑))
今の中学校の英語、本気で取り組んで勉強したら、
大人だって、うーん!ってうなるような内容だし、
海外旅行や日本に来た外国人との英会話に
すぐお役立ちのフレーズがてんこ盛りです。
お母さんも一緒に、学びなおしてみる。
いかがでしょうか?